なんで寒いのに足の裏から汗が出るの?

足の裏から汗を止める治療法ってどんなもの?

足の裏の汗を少なくする方法は?




Original update by : 写真 AC

汗といえば真夏の暑い日を思い出しますが、寒い冬でも汗に悩まされている方がいます。
それも、足の裏からのみ大量に汗をかいてしまうと聞けば、ちょっと心配になります。
女性の場合、ブーツを履く機会も多くいので、蒸れや臭いも気になりますよね。

寒いのに足の裏から汗をかいてしまうのは、いったい何が原因なのでしょうか。
汗を軽減したり止めたりするためには、何をしたらよいのでしょうか。

今回は、寒いのに足の裏から汗をかいてしまう原因と、その治療法などについて解説していきます。

冬なのに足の裏の汗が止まらない原因とは?

足の裏からのみ大量に汗をかいてしまう原因として、自律神経がバランスを崩していることが挙げられます。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、日常生活の中ではこの2つが上手に切り替わっています。

しかし、何らかの原因で交感神経が優位に立ってしまうと、発汗コントロールがきちんと働かなくなり、急に汗が吹き出してしまうのです。

自律神経がバランスを崩してしまうきっかけとして、次のようなことが挙げられます。

・ストレス
・緊張
・不安
・興奮
・更年期などによるホルモンバランスの乱れ



しかしこれらが原因の場合は、季節を問わず1年中、足の裏の汗に悩まされることになります。
この他に「冬だからこそ」という、次のような理由があるのです。

1. 室内と室外の温度差
2. 高気圧
3. 冷え

1. 室内と室外の温度差

冬は他の季節と比べて、室内と室外の温度がかなり違います。
あまりに温度差が激しいと、自律神経が体温の調節をうまく行えなくなることがあるのです。

寒い外から帰ってきて、暖かい室内に入った途端に汗をかいてしまうのは、このためです。
特に足元は他の部位よりも冷えているため、汗をかきやすくなります。

2. 高気圧

特に太平洋側の地域では、冬場は高気圧に覆われて晴れている日数が多いですよね。
実は、気圧は自律神経に作用すると言われています。

・高気圧の時・・・交感神経が反応しやすくなる
・低気圧の時・・・副交感神経が優位になりやすい

交感神経が反応する高気圧の時に、足の裏から汗が出やすくなるのです。

3. 冷え

足は体の末端にあるため、他の部位よりも冷えやすい場所です。
まず、この冷え自体がストレスなどによる自律神経の乱れから来ている事が多いです。

冷えていると血流が悪くなり、普通の人よりも足の体温が低くなってしまいます。
そのような状態の時に、靴下を履いたり、暖かい室内に入ったりと、急激な温度差が加わると、更に自律神経の働きを鈍らせて、汗をかいてしまいます。

汗をかくと体温が奪われ、余計に冷えることになり、悪循環が続きます。

冬でも異常に多い足汗の治療法とは?

少し蒸れるくらいの足汗であれば、制汗剤などを利用して何とか乗り切れますが、ポタポタと滴り落ちるくらいの異常な量の場合、医療機関で治療することも考えてみましょう。

その場合、何科に掛かればよいのか悩みますが、お勧めは、「発汗専用外来」です。
発汗について様々な症例を扱ってきた専門医が症状に合った治療法を提案してくれます。

しかし発汗専用外来は数が少ないのが実情です。
近くに発汗の専門医が見つからない場合は、皮膚科や美容整形外科、整形外科などで治療することになります。
何科でどのような治療が行われるのかを見ていきましょう。

皮膚科

イオントフォレーシス

イオントフォレーシスとは、水を入れた専用の機器に足を浸し、20~30分ほど弱い電流を流す方法です。
電流によって水が電気分解されると、水素イオンが発生します。
この水素イオンが、汗腺に働きかけ、汗の生成を阻害してくれるのです。
アメリカでは多汗症治療として一般的な治療法です。

健康保険が適用されますので、1回の治療は1000円程度と低額ですが、効果が現れるまでは週に1~2回のペースで通院する必要があります。
副作用のリスクは少ないです。

抗コリン薬

抗コリン薬を服用することで、発汗指令物質「アセチルコリン」の動きを封じる治療法です。
抗コリン薬として有名なものに「プロバンサイン」があります。
服用後、約1時間後には効果が現れ、「いつでも汗を止められる」という安心感が得られます。
そのため、心に余裕が生まれ、汗をかいたらどうしようという不安からの発汗を抑えることが出来るのです。

健康保険が適用されますので、1ヶ月数千円程度と、低額で治療できます。
1回1~2錠を、1日3回服用します。

しかし、飲み薬ですから、足の裏だけに作用するわけでなく、全身に影響を及ぼすことを考慮しなければなりません。
のどの渇き、便秘などの胃腸障害、尿が出にくい、目のかすみ、といった副作用があります。
また、皮膚科ならどこでも処方してくれるわけではありませんので、事前にリサーチする必要もあります。

美容外科、美容形成外科

ボトックス注射

ボトックスとは、アラガン社が販売しているボツリヌス菌の商品名です。
足の裏の皮下に、無毒化した「ボツリヌス毒素」を直接注射します。
ボツリヌス菌が作り出すたんぱく質が、交感神経に絡みつき、発汗指令物質「アセチルコリン」の動きを封じます。
効果は治療後2~3日であらわれて、3~6ヶ月間持続します。
重度の脇の多汗症以外、保険は適用外になっており10万円以上と高額になります。

ビューホット

無数に針の付いた機械を足の裏に当てて、フラクショナルRFという高周波で汗腺を破壊する方法です。
高周波の熱で、汗腺だけを効率的に破壊するのですが、深度を段階的に変えて照射することが出来るので、照射漏れが少なく、汗腺の取りこぼしを減らせます。
切開も注射もしないので、痛みも腫れもありません。
まれに赤みと針の後が残ることがありますが、1カ月程度で無くなります。

健康保険は適用外で、およそ30万円前後かかります。
脇汗やワキガの治療に多く用いられており、足の裏に施術可能なクリニックはまだ少数です。
ただし、現時点でアメリカのFDA(日本でいう厚生労働省)の認可を得ていませんし、新しい治療法なので、安全性が保障されているとは言い難い状況です。

形成外科・ペインクリニック

腰部交感神経節ブロック

下半身を支配する交感神経にアルコールを注入してブロックすることで、発汗を停止する施術です。
成功率90%以上で、効果は約5年と長いのですが、代償性発汗や射精障害などの副作用を引き起こすことがあります。
代償性発汗とは、足の裏の汗が止まる替わりに、他の部位から大量の汗をかいてしまうことを言います。

保険が適用されれば、手術費用は6000円+入院費用と、リーズナブルではあります。
入院は1泊2日です。

冬の足汗を軽減させる対策とは?


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足汗の原因である自律神経の乱れを整えるためには、ストレスを減らしてリラックスする時間を取ることが大切です。
ここではまず、冬ならではの原因である、「冷え」に対する対策を4つご紹介します。

1. 暖房を効かせすぎない
2. 温冷交代浴
3. 体を冷やさない
4. 軽い運動をする

1. 暖房を効かせすぎない

暖房の効かせすぎは足汗の原因となりますので、室内と室外の温度差に気を付けます。

2. 温冷交代浴

温かいお湯と冷たい水に交互に足を浸け、毛細血管を収縮させると、自律神経のバランスに効果があることが分かっています。
温冷交代浴を行った後、ひざ下から足指まで入念にマッサージを行うと、尚、効果的です。

3. 体を冷やさない

冷たい飲み物や糖分の多い物は、身体を冷やしてしまいます。
冬が旬の野菜や、根菜、ショウガやニンニクなどの体を温める食材を上手に使いましょう。
無理なダイエットは、冷え症を招くため禁物です。

4. 軽い運動をする

何か特別な運動をする必要はありません。
こまめに身体を動かすだけで、血行も良くなり、ストレスも解消できます。

冷え対策と同時に、次のような足汗対策も行いましょう。

1. 足専用の制汗剤を使用する
2. 5本指ソックスを履く
3. 腰をつねる

1. 足専用の制汗剤を使用する

足の蒸れを放っておくと、臭いも酷くなりますが、冬なのに水虫に悩むことになりかねません。
お風呂上がり、靴下を履く前、汗をかいて靴下を履き替える時…そのような時に、足専用の制汗剤を使用して、少しでも汗を抑えましょう。
スプレーやクリーム、パウダーなど様々なタイプがありますが、どのタイプも足を清潔にしてから使用します。
外出先では足ふきシートなどで拭きとってから使用すると良いでしょう。

2. 5本指ソックスを履く

靴下やストッキングを5本指のものに替えると、足の指の間の汗を吸収してくれ、ベタつきやぬるつきが抑えられます。

3. 腰をつねる

胸の5cm位上を親指で圧迫すると、顔や脇の汗を止めることができます。
「皮膚圧反射(半側発汗)」と呼ばれる反射の一種で、京都の舞妓さんは帯でこの場所を押さえているため、厚着でも顔に汗をかかないのです。
下半身の汗を止めたい時は、腰の横を圧迫します。
手で押さえることができない場合は、ベルトを少し下げて締め付けたりすると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

足の裏から大量の汗をかいてしまう場合、自律神経のバランスが崩れている事が考えられます。
自律神経は、ストレスやホルモンバランスの乱れなどが原因で崩れやすいのですが、次のような「冬ならでは」の理由も考えられます。

・ 室内と室外の温度差
・ 高気圧
・ 冷え



汗の量が大量で、医療機関で治療したい場合は、発汗専門外来にいけば、症状にあった治療法を提案してもらえるでしょう。
近くにない場合は、皮膚科、美容整形外科、形成外科、ペインクリニックなどで治療することが出来ます。

治療方法により、メリット・デメリットがありますので、医師とよく相談して、納得してから施術してもらいましょう。

冬の足汗を軽減させるには、まずは「冷え対策」を行いましょう。
それと並行して、

・ 足専用の制汗剤を使用する
・ 5本指ソックスを履く
・ 腰をつねる



などの対策も試してみて下さい。徐々にですが、汗が軽減されていくのが分かると思います。