顔からの汗はどうやったら抑えられるの?

身体は何ともないのに、顔からだけ汗がすごく出てしまう

自分一人だけ顔汗がひどい!

 

Original update by : 写真AC(カメラ兄さん)

暑い時に汗をかくのは当たり前のことですが、周りの人は汗をかいていないのに自分だけ汗をダラダラとかいていたら恥ずかしくなってしまいますよね。特に顔からの汗は、見た目にも汗をかいていることが一目瞭然となってしまうので一刻も早く止めたいものです。

実は顔汗はある部分を圧迫してあげることで抑えることが出来るのです。しかし、汗と言うのは重要な役割を果たしているため、むやみに止めるのは身体にとってあまりよくないことです。汗を止める際はなるべく、正しい方法で止めてあげましょう。

そこで今回は、汗には一体どんな役割があるのかという汗のメカニズムから、顔からの汗が酷い場合に考えられる原因が一体何なのか、その原因への対策法をまとめました。

 

汗をかくメカニズムとは?


人間が汗をかく最も大きな理由は、熱くなった体温を下げるということです。人間の脳細胞というのは、45℃以上の体温になると深刻なダメージを受けてしまいます。細胞を守るために脳にある「視床下部」という部分が、体温を36~37℃程度に保てるように汗の量を調整しているのです。

具体的な発汗の流れは、まず皮膚の温度が上がったことを「温度受容体」と言われる体外の温度情報を伝えてくれる器官が感知します。この情報は知覚神経を伝って脳の「視床下部」に伝えられます。情報を受け取った「視床下部」は、今度は交感神経を伝って汗を出すように汗腺に指令を出します。

このように「皮膚→脳→汗腺」といった流れで発汗は行われています。

以上で説明したのは「温熱性発汗」と言われる種類のメカニズムです。実は汗をかく原因というのは3つあるのです。それは

  • 温熱性発汗
  • 精神性発汗
  • 味覚性発汗

となっています。

温熱性発汗は最初にも説明した通り、汗をかく最も大きな理由であり、生きていくために絶対に必要な機能です。では、後の2つはどのようなメカニズムで発汗しているのかを見てみましょう。

精神性発汗

精神性発汗は外気温や体温の上昇は関係なく、不安・緊張・ストレスといった精神的な刺激やダメージを受けることで発汗します。

精神的な刺激によって、心拍数・血圧などの上昇といった変化を脳の「偏桃体」が感知します。情報を受けた「偏桃体」が現在の状態を「不快」と判断することで、副腎皮質からアドレナリンが分泌されます。このアドレナリンが交感神経を刺激して汗腺から汗が出てきます。

精神性発汗は「体内の変化→脳→副腎皮質→汗腺」という流れによって起こります。

味覚性発汗

辛い物を食べると汗が出ると言ったように、味覚性発汗は食べ物が原因で発汗します。辛みによって汗が出た経験がある人がほとんどでしょうが、人によっては弱めの酸味や甘みでも発汗する場合があり、今だに不明点も多いのがこの味覚性発汗です。

味覚性発汗のメカニズムは最も経験人数の多い「辛み」の場合で説明します。辛い物を食べると、味覚と同時に痛覚にも刺激が行きます。辛い物にはほとんど入っているカプサイシンと言う成分が痛覚神経を刺激しているのです。この刺激によってアドレナリンが発生し、汗腺から汗が出てきます。

味覚性発汗(辛みの場合)は「痛覚神経の刺激→副腎皮質→汗腺」といった流れによって発汗します。

 

ひどい顔汗の原因とは?

全身ではなく、顔からの汗が特に酷い場合に考えられる原因はいくつかあります。自分の汗の原因がどれに当てはまるのかを確認してみましょう。

運動不足

身体からの汗はあまりでないのに顔だけ汗がひどい、という人は運動不足が原因の可能性があります。「運動をしたら汗の出が尚更ひどくなりそう!」と感じる人もいるでしょうが、身体から汗が出ない、ということは身体の汗腺が上手く活動していないということなのです。

これの何が問題かと言うと、上記にも書いたように汗と言うのは多くの場合体温を下げるために出るものです。しかし、汗腺が活動しておらず汗が出にくい状態になってしまうと、活動している汗腺を使って体温を下げようと脳が指令を出します。汗腺は脳や体幹部分から遠い箇所ほど活動しにくくなるため、手や下半身の活動しなくなった汗腺の代わりに、頭や顔、わきの下から全身分の汗をかこうとすることが原因です。

汗の出やすい食べ物をよく食べる

食べ物によっては顔の汗腺を活発にさせる働きを持っているものがあります。下記のものを日常的に食べている人は注意が必要です。

  • タンパク質(脂分の多い肉など)
  • 香辛料が入ったもの
  • 大量の飲酒

以上の3つが汗腺を活発にする食べ物の代表です。

人間は食事をすることによって体温が上がりますが、体温上昇がしやすい食べ物と言うのは「タンパク質」なのです。摂取するタンパク質の量に気を付けましょう。

香辛料の入った料理を食べて顔から汗が出るのは、味覚性発汗が原因です。この味覚性発汗は、全身から汗が出る人もいますが、顔や頭と言った特定の部位だけ発汗してしまうという人もいます。この味覚性発汗はまだその原因が解明されていません。そのため辛い物を食べると顔からだけ汗をかくという人は、汗が出てほしくない場面では極力辛い物を食べないようにしましょう。

大量の飲酒による汗は、冷や汗のような汗が出ます。これは肝臓がアルコールを分解しきれていないために発生し、脳が貧血を起こしている状態です。この脳貧血は時間の経過によって落ち着く場合もありますが、中には意識を失ってしまう人もいるため、大量のお酒を飲むと汗をかくという人は注意が必要です。

顔面多汗症

身体が熱い、緊張している、辛い物を食べている、これら3つに「当てはまらない」のに顔からの汗が止まらないといった時、顔面多汗症の可能性があります。この顔面多汗症は、汗腺に発汗を促す交感神経が過敏になっていると言われていますが、はっきりとした原因はまだ解明されていません。

ひどい顔汗への対策とは?

Original update by : 写真AC(ストックフォト沖縄)

 

顔からの汗を止めるにはどうしたらいいのでしょうか。顔汗の原因の解決方法から、すぐに出来る顔汗への対策方法をご紹介します。

まずは、上記で挙げた顔汗の原因ごとの対策を見てみましょう。

  • 運動不足の場合

運動不足が原因で顔から汗が出る人は、まずは軽い運動から始めてみましょう。全身を温めて、活動していない部分の汗腺を再活動させることが大切です。

どうしても運動が続かないという人は、無理やり汗腺を活動させましょう。手や下半身といった末端部分を、お湯につける、手袋や厚手の靴下を履く、といったように汗をかかせるようにすることが大切です。

 

  • 汗の出やすい食べ物をよく食べる場合

汗が出やすくなるのは「タンパク質」でしたが、汗を抑えてくれる効果があるのは「イソフラボン」です。イソフラボンが含まれる最も有名な食べ物は「大豆」です。他にもきゅうりや、茄子といった夏野菜、メロン、パイナップルなどの南国果物には体温を下げる効果を持っています。

 

  • 顔面多汗症の場合

顔面多汗症は詳しい原因がはっきりとわかっていません。交感神経が異常に働いてしまっている、といった精神的要因についても考えられるため、一度医師の診察を受けて適切な治療を行いましょう。

顔面多汗症のように、原因がわからず対策が出来ないという人は、すぐに出来る顔汗対策方法を試してみましょう。

 

  • 胸の上を圧迫する

胸のトップから約5㎝上部分を紐や帯で縛って圧迫します。これは半側発汗という現象を利用した汗対策です。

半側発汗は、圧迫した部分とは反対部分から汗をかくという現象のことです。今回は顔からの汗を止めたいので、胸の上(上半身)を縛ることで、上半身の分の汗も下半身から発汗させます。

「本当にこれだけで?」と不安になるかもしれませんが、この半側発汗を使った方法は昔から使用されています。現に芸者・舞妓さんは高い位置で帯を結ぶことで顔からの汗を止めているのです。縛るだけで汗を止められるので、顔汗に悩んでいる人はぜひ試してみましょう。

 

  • 制汗剤の使用

体や脇用の制汗剤ではなく顔用の制汗剤を使用するようにしましょう。顔用以外の制汗剤を使ってしまうと刺激が強すぎるため肌荒れの原因となります。女性の場合は、ファンデーションを塗る前に下地の代わりに制汗剤を塗るとより効果的に使用できます。

まとめ

汗には、脳細胞が深刻なダメージを受けないように体の温度を下げるという非常に重要な機能を持っています。しかし日頃汗をかいていないと、心臓から遠い部分の汗腺がどんどん活動しなくなってしまうのです。それでも脳は体温を下げるために汗を出せという指令を出すために、汗腺が活発な頭や顔から全身分の汗が流れ出てきてしまいます。

運動不足を感じていて、顔から汗が止まらないという人はこのように末端の汗腺が活動していない可能性があります。1日少しずつでも良いので、運動をして全身で汗をかく練習をしましょう。

日常的に摂取する食べ物にも注意が必要です。「タンパク質」の多い食べ物は体温を上昇させ、汗が出やすくなるため毎日摂取するのは控えましょう。反対に「イソフラボン」には汗を抑える効果があります。汗の量が気になる人は肉ではなく大豆製品を多く摂取するように心がけましょう。